高木綾子「AIR BLEU」レコーディング・レポート
   
  2001年5月29〜31日 福島市音楽堂
   
  ラテン・アメリカのクラシックからボサノバまでを集めた「南の想い」から一転して、今回は、全てフルート一本で、17世紀から現代までの作品を吹いたコアな内容です。今後日本の音楽界の宝になるであろう高木さんならではの表現の幅の広さ、音色の魅力が存分に味わえるアルバムになると思います。 一見とっつきにくそうですが、先入観なしに聴いていただければ、その奥深さに魅了されることでしょう。
   
  東北新幹線の車内で。
  まず機材の搬入。高木さんも眺めています。
  楽屋でくつろぐ高木さん。これではよく見えませんが、コップにサルの絵を書いていました。
  いつものようにまずサウンドチェック。高木さんの太く、ざらつき感のある音を、変に綺麗にしないで収録するのが目標です。
  福島市音楽堂は、とにかく長い残響が特徴。これまでは、井上圭子さんのオルガン、福田進一さんのギター、シュテファン・フッソングのアコーディオンなどの収録で使用しました。
  客席は約1000席。壁はタイル張りなので、どちらかというとクールな音がします。
  2セットのマイクを立てて音を聴いてみましたが、結局、今エンジニアの塩澤君がいじっている方のマイクだけを使用しました。いわゆるワンポイント録音です。
  教会に近い、豊かな響きをうまく取り込み、しかもインパクトのある音が得られました。
  いよいよ臨戦体制。17世紀の作曲家マラン・マレからドビュッシー、そして武満徹まで、フルートの歴史を辿るような録音ですが、まず一番古いマレから始めました。
  これは2日目。
  アシスタント・エンジニアは、二本柳竜彦君。まだ3年目の若いアシスタントですが、高木さんの出張録音は、たまたま全て彼がアシスタントを務めています。通称たっちゃん。
  プレイバックを聴いています。最初に通したものを一度聴いて、後は、どんどん録っていきます。
  昼食タイム。今日は鰻です。
  量が多かったので、食べきれない分はたっちゃんが引き受けます。積みあがるどんぶり。
  これが音楽堂の正面玄関。
  初日に地元の新聞が録音の取材に来たのですが、翌々日にはもう記事に。
  全て終わって記念撮影。
  片付けを手伝ってくれた高木さん。ケーブルの巻き方は8の字巻きといって、ちょっとこつがいるのですが、一発でマスター。編物が趣味というのも、嘘じゃなかったのか・・・。
   
  このアルバムは、コンサートで高木さんの吹いた、イサン・ユンの無伴奏のエチュードがあまりに素晴らしかったので、生まれた企画。彼女の独特の深い音色、奥行きのある世界観が存分に味わえると思いますので、ご期待ください。発売は9月21日です。

収録曲 マラン・マレ:スペインのフォリア/C.P.E.バッハ:ソナタ/ドビュッシー:シランクス/ボザ:イマージュ/フェルー:捕らわれた羊飼い/イサン・ユン:エチュード第5番/リーバーマン:ソリロキー(独白)/武満徹:エア