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   Jroomレーベル発足(2003年4月)
     
     下の文章を書いてからまたまた約1年。ついに新しいプロジェクトが本格的に始動します。もう既に業界発表を2月に行いましたので、ご存じの方もいらっしゃると思いますが、J-Classic、J-Jazz、J-Trad(純邦楽)が一緒になって、新らしい音楽を作っていきます。

J-Classicはよりオリジナリティを追求し、ひとつひとつを丁寧にプロデュースします。
J-Jazzは既に昨年ブレークしたピアニストAkiko Graceを中心に、様々な新人がデビューします。
J-Tradは、尺八の藤原道山を初めとして、これから楽しみなジャンルです。

 私は主にクラシックですが、ジャズ、純邦楽とも、それぞれプロデュース力のあるディレクターがいるので、お互いのノウハウを生かしながら、面白い相乗効果が生まれると思います。

 昨年の11月から準備を進めてきましたが、いよいよ4月からリリース開始です。良質で、しかも聴きやすく楽しめるアルバムが続々リリースされますので、是非ご期待ください。

(2003年4月)

     
     
   J-クラシック その後
     
     下の文章を書いてから1年が経ちました。昨年(2001年)は、多くのメディアで、J-クラシックが取り上げられ、話題になった年でもありました。それだけ浸透したと同時に、そろそろ新しい流れも作っていかなければいけない時期に差し掛かってきていると思います。

 これまでの主流は、上にも書いたように、ポピュラーの楽曲をクラシック・テイストに編曲したり、同じクラシックでも、違う楽器のための作品を編曲して演奏したり、長い曲の一部を取り出して演奏するというようなことだったのですが、今後は、オリジナルの楽曲、他ジャンルとのより積極的な融合などで、更にオリジナリティのある音楽を作って行かなければと思っています。それには、アーティスト自身が、クラシックだけに留まらない、幅広い関心と創造性を持っていることが必要ですが、そのような芽は確実に出てきています。

 クラシックだけでなく、ジャズや純邦楽、民族音楽のように、ディシプリンの必要な音楽ジャンルに、そのベースを生かした新しい動きが共通して生まれてきているので、そのようなアーティストたちとの協力で、様々な試みが可能になると思います。

 景気も悪く、ビジネス的には大変厳しい状況ではありますが、音楽的には、ますます面白くなる可能性を秘めているのが、今の日本です。少しずつ準備を進めていきますので、ご期待ください。

(2002年1月)

     
     
   J-クラシックとは
     
     J-クラシックとは、広くは日本人演奏家によるクラシック音楽、その中でも特に、伝統的なクラシック音楽の枠を超えた、新しい試みに積極的な若手アーティストたちによるクラシック音楽のこと。

 従来のクラシック音楽家の活動の中心は、作曲家、それも主に18〜19世紀のヨーロッパの作曲家が譜面に書いたものを忠実に再現することでしたが、J-クラシックの場合、それだけに縛られず、例えば、ポピュラーの楽曲をクラシック・テイストに編曲したり、同じクラシックでも、違う楽器のための作品を編曲して演奏したり、長い曲の一部を取り出して演奏するなど、自由なアプローチにより、新しい音楽の楽しみ方を追求します。

 代表的なアーティストとしては、ギターの村治佳織、木村大、ハープの竹松舞、フルートの高木綾子、ヴァイオリンの幸田聡子、高嶋ちさ子、川井郁子、チェロの古川展生、カウンター・テナーの米良美一、ピアノの加羽沢美濃などなど。坂本龍一の「ウラBTTB」や、葉加瀬太郎などをJ-クラシックに入れる人もいます。 名称は、1996年に、タワーレコード渋谷店のクラシック売り場が日本人演奏家のコーナーを作りJ-CLASSICALと名づけ、ほぼ同時期に、日本コロムビアがJ-CLASSICS、ソニーミュージックエンターテインメントがJ-CLASSICALという名称を使い始めました。

 J-クラシックは、もとはといえば、レコード会社の事情として生まれたものです。私はその張本人のひとりなので、事情をご説明しておきます。95年頃には、CDブームも終わり、クラシック・ファンは一通りの名曲のCDは手に入れていました。また、死んでしまった海外の巨匠、例えばカラヤン(指揮者)、ホロヴィッツ(ピアニスト)、ルービンシュタイン(ピアニスト)などのCDが1500円程度で手に入るようになり、同じ曲目の新しいCDを出しても、大きな売上は期待できません。だったら、これだけ日本人アーティストがレベル・アップし、技術で世界に通用するのは当たり前になってきたのだから、彼らと組んで何か新しいことをやろうと考えたわけです。プロデュースする立場としても、前例のあることをやるのはつまらないというのもあり、既に、いろいろな試みは行っていたのですが、会社として真剣に取り組むようになったのは、その頃からでした。

 出発はそういった「事情」と、新しいことをやろうという意欲との半々でスタートしたわけですが、一流の技術を持ち、魅力的な個性のあるアーティストが、スタッフとともに、真剣に新しい音楽を模索したから、今のJ-クラシックの成功があるのだと思います。もちろん、失敗例もいろいろありますが・・・。

 最近は、J-クラシックに加え、ヒーリング・ミュージック・ブームもさらに盛り上がりを見せ、EMIの「ever」やソニーの「image」などのクラシックの編集物のCDが大ヒット、またフジ子・ヘミングという強烈な個性のピアニストがカムバックして注目されるなど、何かと話題の多いクラシック界ですが、これに甘んじずに、聴く方が、生活や人生の中で豊かさを感じられるような音楽を提供していけたらと、個人的には思っています。

(2001年1月)